先日、ベランダに鳥の羽根が大量に落ちていました。青みがかったグレーの、鳩の羽根でした。
こんもりと積もるほどだったので、自然に抜けたというより、天敵に食べられてしまったのだと思います。骨や血痕こそありませんでしたが、動物が塀を駆けのぼったような足跡が一つ残っていました。
わが家の庭には虫や鳥、そしてネズミや猫、ハクビシンといった動物たちがしばしばやってきます。鳩も毎年飛んできて、木々の間に巣を作って卵を温めています。ハクビシンあたりが、ベランダで弱っていた鳩を引きずって、どこかへ連れて行ったのでしょう。春の暖かいベランダでいったい何が起きたのか、想像するほかありませんが、ひとつのいきものの死のなまなましい気配を嗅ぎ取ってやるせない、けれどどこか心打たれるような気持ちになりました。
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- 書いた日:2023-04-24
- 書いた人:hanao
4月4日に、丹羽文雄と川端康成のゆかりの地である岐阜市で文学散歩をしてきました。
丹羽の母・こうは、様々な事情により四日市の実家(崇顕寺)をとび出し、岐阜市の金神社のあたりに住んでいました。金神社は、金色の鳥居が印象的でした。そこから5分ほど北へ進むと、丹羽の「贅肉」という短篇で賑やかな雑踏として出てくる柳ケ瀬通りがあります。行ったのが平日の昼間だったせいか、店はほとんど開いておらず、閑散としていました。
柳ケ瀬からさらに北上すると、長良橋にたどり着きます。川端はこのあたりの旅館で伊藤初代と婚約し、長良川の鵜飼を眺めていました。その模様は「篝火」という短篇で詳しく描かれています。河畔には、川端と初代を模した「篝火の像」が立っていました。
苦労して稲葉山(岐阜城)に登った後、岐阜駅の南側までUターンし、初代が養女として暮らしていた西方寺を見学して、今回の文学散歩は終了となりました。
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- 書いた日:2023-04-12
- 書いた人:くちなし
私は普段から街歩きが好きで、デパート内もよく散策します。甘いものも好きで、もちろんチョコレートも好き。だから毎年この時期になると、自分へのご褒美、いやいやこれは最高のチョコを贈るためのリサーチでもあるのだ!と色んな場所のチョコレート売り場に足が向かってしまいます。
とはいえ今年は、食べすぎが続いているからかあまりチョコ!という気分は上がらず、自分用はなしにしようかなぁと思っていました。 でもそんな時でも、やっぱり日々ダテに散策してきていないもので。私の気分にぴったりなものに出会い、一気にテンションが上がりました。今年はこの1箱だけにして、大事に食べます。
最新号の152号でも、タイトルについ目が惹かれてしまった小林かをるさんの「伴天連・コロナ・ゴディバのチョコレート」。ちょっと切なさを感じるほろ苦風味。いい味しています。
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- 書いた日:2023-02-01
- 書いた人:tomato
2022年も終わりに近づいてきましたね。私は先日、長崎・ハウステンボスのクリスマスマーケットを訪れたのですが、イルミネーションを眺めながらホットチェリーワインをいただいて、一足早いクリスマスを満喫することができました。
最近、ヘンリー・ジェイムズ著・『ねじの回転』を読みました。19世紀後半のイギリスの古屋敷、人々が炉端を囲んで幽霊話に興じていたクリスマス・イブに、一人の男が書簡に記された幽霊話を語り始めます。物語は書簡の書き手である女家庭教師の一人称語りで進行しますが、読み進めるうちに、彼女がいわゆる“信頼できない語り手”であることに気付かされる――果たして幽霊は本当にいるのか、それとも主人公の妄想なのか――叙述トリックものは種明かしの後に読み返すのもまた一興ですが、最後まで種明かししてくれないこの小説の場合は、頭を悩ませながら読む面白さがあります。クリスマスに読む一冊にいかがでしょうか。
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- 書いた日:2022-12-13
- 書いた人:hanao
私は朝よく、職場の近くのパン屋さんでパンを買うのですが、最近パンの種類が迷走(?)していてそれを密かに楽しんでいます。そのなかでも青いあんこが中央にむき出しになっている「ラムネパン」が好きで、今日はあるかなぁと期待しながら通勤しています。今朝はなかったので残念ですが、パン屋さんにはこれからもたくさん変わった商品を作ってほしいなと思っています。これから秋になるので「サンマパン」とか「ブタクサパン」とかいかがでしょうか。店から出ると、雨がパラパラ降っていて台風がくるようでした。「ラムネパン」みたいな青空がひらけてくるといいなと思い、私のお腹は雷のように鳴りました。